夕食当番と農業ボランティア

  新学期になりました。バイトや部活に仲間も増えて、夕食に行かなくなるので「当番をやらない、農業ボランティアへ行かない」という声が2つ届いています。そこで、この夕食付きの『健康サポート』サービスについての課題を共有したいと思います。

 バイトや部活が急がしくなると、どうしても生活のリズムがくずれてきます。家族と過ごすのとは違い、自分だけの価値観で生活の優先順位が入れ替わってしまうことは、一人暮らしではありがちなことだと思います。学生さんによくみられるのは、バイトで得た収入が増えて、お金を使うこと遊ぶことに夢中になってしまう姿です。行き過ぎた自分を反省し、健全な自立の道へ戻っていく学生さんもいますが、生活のリズムとともに食のバランスがくずれて、健康に害を及ぼしてしまう学生さんも意外と少なくありません。

 このような学生の例を多く見てきて始まった夕食付きの『健康サポート』サービスでは、栄養バランスを考えた野菜たっぷりの夕食を食べて、入居者同士の交流を深める時間を得ることができます。さらにここで発展している夕食コミュニティは、自分の生活バランスを見直す機会を得る日常的な信頼関係を築くことで生活に安心感を得るという効果をもたらしています。

 

 今年になってよくあることは、レポート提出日や試験日が近づくと、夕食当番や農業ボランティアを欠席する人が非常に多いことです。入試までは、勉強を最優先とした生活をおくり、大学へ入学してゴールに行き着いたとほっとしている新入生さんもまだ多くいることでしょう。しかし、大学生というのは、社会人になる前の準備期間であることを思い出してほしいと思います。

 例え試験直前であっても、自分の部屋での自炊後は、当然食事の後片付けをしているのだと思います。ここでの夕食当番は、当番に負担のない時間配分があらかじめ設定されており、一定時間後は各自が片付けをすることになっています。また、農業ボランティア参加の件についても、当初から予定されていることであり、計画的に参加することが可能になっています。最近になって驚く事は、バイトが入っているから、夕食当番や農業ボランティアに参加できないという学生さんが増えてきていることです。これは昨年の例ですが、夕食当番だけを休むのは気が引けるので、食事サービス自体を辞めるという意見も、遠回しに耳に入ってきていました。入居当初に親御さんと決めた内容にそってことですので、学生さんの個人的な都合による、辞める辞めないの話には残念ながら相談にのることができません。また、夕食当番や農業ボランティアに参加したくないという話は、辞める辞めないの話とは別に、夕食コミュニティの話ですので、きちんと自分の当番をこなしている学生さんとの関係の中で解決策を見いだして欲しいと思います。

 

 最後に、先輩たちの様子をお話します。3年生になると同時に就職活動がはじまります。その頃になると、バイトとは一線をおく学生が多くみられます。理由は、バイトはあくまでも勉学、就職活動の次の優先順位であるとのことです。就職に必須とされるコミュニケーション能力向上のために、「体験や人との関わり」を重視しているとの声が多いのが特徴です。

 夕食当番や農業ボランティアでは、日常生活の一環として仲間とのコミュニケーションが必要とされます。早々に頭を切り替えて、社会人になること/自立することを目標とすることは、結果的に自分を助ける力になっていくことと思います。

自分の都合が悪いときは「みんな事」は後回し、しらんぷり、いざとなったら辞めればいいや・・・ではなく、親御さんと一緒に決めた食事コミュニティへの参加の意義を、あえて時間を作ってひとりひとりが考え、その中でみんなと意見交換をして欲しいと思います。(松田)

 

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